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プロダクション ノート
【バネッサ・レッドグレーブへのインタヴュー】


●映画のもたらすインパクトについて
多くの人たちが何らかの形で自分を失っている社会にあって、個人ももちろんだけど、社会そのものを見つめ直すべきだと思った。
●この本を評価される訳
スザンナ・ケイセンの本で最も心を打たれたのは、実にやさしい人間性。彼女の回想、認識、感想、考え方、人との関係、いい時であれ悪い時であれ、前に進むにしろ後退するにしろ、その人間性が感じられる。彼女はとてもわかっている。あれはパラレル・ワールドなのよ。
●プロデューサーとしてのウィノナ・ライダーについて
他の女優さんもやっているけど、ウィノナが映画を撮ったり撮らせたり、ということができるようになったって素晴らしいことだわ。大きな進歩ね。ウィノナのような若い女優さんが作る映画は、多大な興味と関心を引くでしょ。とても有意義だし素敵なことだわ。一人のアーティストとして見ても素敵だし、一本の映画、一つの物語、一つの作品という旅をしているという観点からも素敵。違うことだから。


【ジェームズ・マンゴールド(監督)へのインタヴュー】


●私が腰を据えて描こうと思ったのは、原作がいざなう世界でもあるんだが、だれもが狂っているということだ。だれもが狂っている、突き詰めればそういうことだ。主人公がこの病棟という世界に入り、他の若い女性達に出会うというのはまるで魔法のようで、最初はみんなとても極端で恐ろしい人間たちのように思えるのに、すぐに正常に見えてくる。外の世界よりも正常なほどに見えてくるんだ。
●スザンナの状況について
人生には足をすくわれるようなところがあって、懸命に泳いでいないと、たとえ一瞬でも休んであたりを見回していたりすると、たちまち沈み始める。だからって狂ってるわけじゃない。だけどこの世界は、止まるのを許しちゃくれない。止まると置いていかれてしまうんだ。スザンナはある意味で、地下鉄のコードを引き抜いて流れを止めたかったのだと思う。ところがすべては猛烈な勢いで動き続けている…周囲の若者達は大学に進学するし、世の中も動き続けているわけだ。彼女の最大の罪は、自分というものを見極めようとして止まったこと。それは許されない。ひじょうに脅威を感じさせる態度なんだ。だけどおかしなことに、彼女のとった道は自分を探す役に立った。
●ウィノナ・ライダーとアンジェリーナ・ジョリーについて
ウィノナもアンジェリーナも自分の演じている役に驚くほど近い。そして役の中に自分を見ている。キャスティングするとき、僕にとって重要なのは、自分というものをスクリーンに投影させることできる俳優を探すことだ。映画の魔術は、キャメラの威力は、人間の内奥まで覗かせてくれることなんだ。
●ウィノナ・ライダーについて
僕はサイレント映画の大ファンでね。ウィノナは、最高にすぐれたサイレント女優だと思う。言葉なんかほとんど要らないんだ。すごくパワフルな目をしている。美しいばかりではなく力のこもった目だ。ウィノナはその目を使い、言葉なくして観客にすばらしい洞察力を与えるすべを知っている。これぞ映画ならではのことだ。
●スザンナのキャラクターについて
この時点でスザンナ・ケイセンが悩んでいたのはこういうことだ。私は天使のようないい子になるのだろうか?それとも悪い子になるのだろうか?どっちにもなりたいけど、そうはいかない。規則に従えばいい子になれるけど、そしたら退屈な子になってしまう。規則を破ればリサのようになる。そしたら行き詰まってしまう。僕がこの企画に関わりたいと思った理由の一つは、ウィノナが多くの意味で、自分の人格のこの正反対の2面に挑んでいると感じたから。どちらも同じ人間なんだ。


【スザンナ・ケイセン(原作者)へのインタヴュー】


●60年代というのは、多くの大人達にとって恐ろしい時代だったと思う。その時代を生きた私にとっても怖かったし、60年代を生き抜いてきて、怖かったと思うのは私だけではないでしょう。そのことについては本でも触れているけど、大人にとっても、とても不安な時代だったと思う。だからつい過保護になってしまったのよ。「子供達を自由にして、好きなことをさせてやりなさい」なんて安易にいえなかったんだわ。いろいろなことがこれまで以上に崩壊の兆しを見せ、これまでとは違う形で崩壊していった。それもあってわたしは入院させられたんだと思う。1958年だったら入院していなかったでしょう。1978年でも1988年でもね。
●この病院の二重性
おかしいのよ。この病院には二重性があってね。寄宿舎みたいな一面もあって、中級のホテルみたいな雰囲気だった…何もしなくてもいいみたいな。もう一方では陰険でとても恐ろしい側面もあって、人を閉じ込めておくわけよ。窓も開けられなかったし、私はそうじゃなかったけど、多くの人達が薬漬けにされてた。結局、個人の自由なんて全くなかったわ。
●グループとしての娘達
この映画が最もよくとらえていると思うのは…とても重要な側面なので私としても喜んでいるんだけど…娘達のあいだに同級生のような気分があること。寄宿舎の雰囲気なのよね。それがよく出ていて、見ていてうれしかった。演技のアンサンブルもすばらしかったし。バランスがとれていて、グループで出てくるとグループの感じが出ていた。私があの精神病院にいるのが好きだったのはそれがあったからで、だからうれしかった。原作でもそのことが重要な一部となっているの。

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