ドイツ映画界、期待の新人を発掘!
 ステフィ役には、すでに成功作『ガールズ☆ガールズ』(2001年)に出演していたカロリーネ・ヘルフルトが、1回のオーディションの後すぐに選ばれたが、主人公であるカティ役はギリギリまで決まらなかった。
「こういう映画は、主人公の配役によって成功するか、失敗するかが決まります。しかし、ドイツでは16歳から20歳のスターはいませんでした」と、プロデューサーのジュディ・トッセルは語る。3社のキャスティング会社が雇われると同時に、ベルリン、ケルン、ミュンヘンで若い才能を探し出すため、スカウトが送り込まれた。
「でもそのとき、雑誌の中でしか起こらないような奇跡が起こったんです」とトッセルは笑いながら振り返る。
 セットデザイナーのウルリカ・アンデルソンとマリア・フォン・ヘランド監督が、何シーンかを撮影することになっていたアメリカンダイナーを訪れたとき、客の中にひとりの少女を見つけたのだ。彼女は、俳優ウルリッチ・ミューエとジェニー・グリュマンの娘、アンナ・マリア・ミューエだった。監督は彼女に近づき、オーディションに誘ってみた。後日、プロデューサーたちのオフィスでミューエのカメラテストが行われたが、そのオーディションの素晴らしさには、誰もが大いに満足した。

リアリティーと温かさが同居する映像美
 ふたりのプロデューサー、ジュディ・トッセルとアンドレア・ウィルソンにとって、クルーの構成も忍耐が必要だった。監督にはっきりとした要求があったため、カメラマン探しが非常に困難なものになったのだ。
「監督は“現実味があるけれど、決してドキュメンタリー風ではなく、登場人物に近いけれど、さらに広大で素敵な映画の描写も、冷たくならずに撮ることができるカメラマン”を求めていました」(ジュディ・トッセル)
 何百本ものビデオを観た後、チームはロンドン拠点のローマン・オーシンのデモテープを観て確信した。
「ローマンは現実を確実にとらえることができるし、それと同時に心をつかむ映像美を創り出すこともできる。今回、彼を撮影監督にできたことを、とてもうれしく思っています」(アンドレア・ウィルソン)