映像作家・今 敏監督の最新作が世界を席巻する!
第75回アカデミー賞では、『頭山(あたまやま)』(山村浩二監督)がアニメ部門にノミネート、『千と千尋の神隠し』(宮崎駿監督)が長編アニメ部門を日本作品で初受賞という前代未聞の快挙を達成。また、『アニマトリックス』が川尻善昭、森本晃司、渡辺信一郎ら日本アニメ界の名だたるクリエイターを指名して製作されるなど、今や日本発のアニメは、世界の映画界の話題を独占している。
中でも今 敏監督は、日本固有でかつ斬新な映像を次々と世界に向けて提示し続ける最大の注目株だ。第1回監督作品『パーフェクトブルー』(1998年)は、海外で高く評価され、第2作『千年女優』(2002年)は公開前からドリームワークスによる全米配給権取得が決定したほどであった。さらに『千年女優』は第5回文化庁メディア芸術祭アニメーション部門大賞、東京アニメアワード劇場映画部門最優秀作品賞、第6回ファンタジア映画祭(カナダ)最優秀アニメーション映画賞など、内外の数々の賞を獲得した。
いまやクリエイター、今 敏は「次に何をつくるのか?」と、全世界から熱い視線を一身に集める作家となった。その期待に応える最新作が、ソニー・ピクチャーズ エンタテインメントが全米配給を視野に入れて送り出す『東京ゴッドファーザーズ』だ!
今 敏監督のリアルさと誇張の両面を兼ね備えた鮮やかな映像テクニックは、まさにアニメーション・マジック。今夏、本作品は日本公開に先がけて、ニューヨークのBAAF(Big Apple Anime Fest)2003でもワールドプレミア上映が予定され、早くも参加者注目の的だ。
アニメーションという表現手段を駆使した今 敏監督の最新作が、いまこそ世界を席巻する!
“ホームレス”だから発見できる“幸運の物語”
今 敏監督が選んだ新作の題材は、“ホームレス”だ。
アニメは、宇宙、超能力、魔法と、日常から飛躍したものを描くことが多い。対する“ホームレス”は都会に暮らす者には日常的な存在。そして、社会に捨てられ、すべてを失いゼロになってしまった人たちで、アニメ向きとは言いがたい。
だが、今 敏監督のアニメーション・マジックは、ホームレス3人組を温かくて輝く存在へと変えていく。捨てられた赤ちゃんを助けようと奮起する彼らの前には、次から次へと“幸運”積み重なっていく。この“幸運”が、次の場所へ、次の出会いへと彼らを誘いていく。そんなラッキーづくしのストーリー展開は、この映画の大きな見どころだ。
“幸運”とは、科学や論理では説明のつかないような出来事を意味する。幸運が重なり人を結びつけ、流れをつくり出していくのは、誰もが経験していること。しかし、目をそらしてしまえば、“幸運”はすぐに遠ざかってしまう……。
ホームレスが何もないゼロの存在だからこそ、“幸運”を見つけられるという逆転の発想が、この映画を支えている。そして、今 敏監督の卓越した映像テクニックが、この発想に根拠とパワーを与える。現実そっくりに、汚れた部分まで細かく描かれた東京の風景の中で、哀愁に満ちたホームレス3人組がエネルギッシュに動いて“幸運”を見つけていくことで、驚きが生まれる。
これぞまさに、今 敏監督がアニメーションの限界を突破した瞬間なのだ。
『東京ゴッドファーザーズ』のアニメーション世界は、大都会の日常のベールをはがし、見失われがちな“幸運”の実像を浮き彫りにしていく。そこには、人間の喜びも隠されている。
そんな温かな“幸運の物語”は、世界中の観客の心を揺さぶるに違いない!
超豪華スタッフ陣、日本映画界注目のキャストが集結!
今回の作品には、各界から超豪華スタッフ、キャストが参加している。
脚本は「カウボーイビバップ」「白線流し」などの代表作を持つ信本敬子。音楽は北野武監督最新作『座頭市』でも音楽を担当するムーンライダーズの鈴木慶一。
キャラクターデザイン(今 敏と共同)と作画監督は『ホーホケキョとなりの山田君』『千年女優』の小西賢一。原画マンも『もののけ姫』『千と千尋の神隠し』の作画監督・安藤雅司 、『平成狸合戦ぽんぽこ』の作画監督・大塚伸治といった日本を代表するアニメーターが結集。今 敏監督特有の緻密かつリアルな画面への要求に応え、さらにキャラクター崩しやオーバーアクションをふんだんに取り入れて、アニメーションの原点回帰的な動きの楽しさを見せてくれる。
アニメーション制作はマッドハウス。『アニマトリックス』、『バンパイアハンターD』、『メトロポリス』、『茄子〜アンダルシアの夏〜』といった、ダイナミックな映像感覚で数々の作品を送り出し、世界中で高く評価されているプロダクションだ。
キャストもまた注目だ。中年オヤジのギンちゃんはシェイクスピア劇の実力派俳優で『幻魔大戦』などアニメ映画への出演経験も持つ実力派俳優の江守徹。家出少女のミユキには『あずみ』での熱演が記憶に新しい岡本綾が声優初挑戦。そして赤ちゃんへの愛を注ぐ元ドラッグ・クィーンのハナちゃんはTVバラエティやCMの人気者、WAHAHA本舗の梅垣義明が演じる。ひと癖もふた癖もあるキャラクターに個性的な面々が生命を吹き込むことで、今 敏監督の映像に独特の味わいが醸し出された。
ハイクオリティ作品を送り続けるアニメ制作集団「マッドハウス」
『パーフェクトブルー』『千年女優』『東京ゴッドファーザーズ』と立て続けに今 敏監督作品をプロデュースしたマッドハウス──それは、高い作家性を活かしたハイクオリティ映像製作を得意とする、日本有数のアニメプロデュースカンパニーだ。
代表作は、りんたろう監督の『幻魔大戦』('83)、『X』('96)、『メトロポリス』('01)、川尻善昭監督の『妖獣都市』('87)、『獣兵衛忍風帖』('93)、『バンパイアハンターD』('01)、など。今年2003年夏には、カンヌ映画祭の監督週間に出品され話題を呼んだ、高坂希太郎監督の『茄子〜アンダルシアの夏〜』が全国一斉公開される。スタイリッシュな演出と豪華絢爛たる味わいに満ちたマッドハウスの映像は、国内ではもちろん高く評価されているが、最近では川尻善昭監督と小池健監督が『アニマトリックス』('03)に参加し、海外でもそのダイナミックな映像美が高く評価された。
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