・・・・・・拍手がっ! 拍手が起こっちゃいましたっ! バッチバチバチッ割れんばかりの、とゆーヤツです! 記念すべき初日の記念すべき第一回上映@シネセゾン渋谷を観てくださったお客様方の、めっちゃでっかい意思表示の音! 心地いいーーーっ。ありがとうございますっ!
こんな暖かい音を聴かされれば、そのあとの舞台挨拶、司会の襟川クロ氏の紹介で壇上に上がった岡本綾さんも今 敏監督も、ニッコニコにならざるを得ませんっ! もう、なんて乗せ上手なお客様なのっ! 早くから並んでこの瞬間を待って下さったお客様にこそ、パチパチパチ〜ッ、感謝の拍手っ!
監督「あの拍手は、心から作品を楽しんでいただけたからだと、そう受け取りたいと思います。本当にありがとうございます。
実は、『東京ゴッドファーザーズ』という映画を作るプロセスが、『東京ゴッドファーザーズ』という映画そのものと良く似ているな、と感じています。
お分かりのように、アニメーションで、ホームレスが主人公の映画を作るということ自体が、もうすでに表通りにはない。
少なくとも、色とりどりの可愛い女の子たちと並んでアニメ誌の表紙を飾ることはない(笑)。
そんなものを最初から選んでしまっている時点で、私自身、既にハナちゃん、ギンちゃん、ミユキと類似しているんですが。
ホームレスが赤ん坊を拾う。しかもゴミ置き場で。という行為は、私が、他のアニメ業界の方たちが使わずに捨ててしまったところから、アイディアを拾ってきたというのと、
非常に似ている。そして、多くのスタッフと共に2年半の歳月をかけて歩いた軌跡というのは、彼らが清子の親を求めて、都内を奔走する姿にかぶっているように私には思えます。
そして、清子が無事親元に帰された、という素晴らしい到着地点というのが、まさに今日のこの日であり、この作品をお客さんの前に届けられたことが、私たちの本当のゴールだと思っております」
そして、岡本氏……と、“氏”表記するには、あんまりにも可愛いらしすぎる岡本綾さん。スパンコール・キラキラ衣装より、ご本人自身がもっとキラキラっ。可愛いすぎっ! なので、今回は、“綾嬢”呼ばわりで失礼します。
綾嬢「初めてのアフレコだったので、収録のときは毎回緊張してばかりで。これで良いのかなって、実感が湧かないというか、達成感っていうようなものが、なかなか得られなかったんですけど、今、皆さんが温かい笑顔で私を見てくださっているので(笑)、少し自信が持てました。良い作品だったんですよ、ね?(笑)。
本当に、今日こうして皆さんが笑顔でいてくださるのを見て、生み出した子供がやっと「おぎゃあ!」って泣いてくれたような気がして、ほっとしています」
まさにその『おぎゃあ。』というタイトルの映画を観て、「ミユキはこの人だ!」と決めた今監督、
監督「岡本綾さんは、結構、淡々と喋るんですよ。感情が出ないわけではなくて、感情の起伏は感じさせるんだけど、表現としては、クール。
そのほうが、逆に聴いている側は思い入れができる。クールな声が、私はとても気に入っています。大芝居過ぎると、押し付けがましくなってしまうので。そもそも画面が、もう十分に押し付けがましく、暑苦しい演技のアニメーションなので(笑)」
司会・襟川氏「他の方もイメージ通りでしたか?」
監督「江守徹さんは存在感が、大変大きい。顔も(笑)。迫力がね。江守さんに見つめられて、あの声で「面白いね」と言われるとですね、「あ、面白いのかな」という気になる(笑)。とにかく、声だけでも存在感が凄い。
実は当初は、ハナちゃんが引っ掻き回して、ギンちゃんは引き摺られていく、という風に作ってたんですが。
そのバランスが変わるくらいに江守さんの存在感が大きく。
かつ、ハナちゃん役の梅垣義明さんが、外見と違って、非常にまっすぐで真面目な方なんですね。
見ていて、少し肩の力を抜いてください、と言いたくなるくらいの生真面目さ。その梅垣さん本人のひたむきさが、ハナちゃんに本当に真っ直ぐで一生懸命な人という人間的な良い部分を与えてくれました。
だから、最初のイメージとはバランスは変わったんだけれども、このバランスのほうが素敵である、と思っています」
司会・襟川氏「綾ちゃんは、初めてのアフレコということで、随分と緊張してたんですね?」
綾嬢「初めてのことに挑戦するのは、本当に緊張しますね。でも、一歩踏み出す勇気と、それに耐える心とどっちも必要だな、っていうのをあらためて感じさせていただきました」
監督「あとになって、そんなに緊張してたのか、というのを知って驚いたんですが。そのくらい、緊張なんて全然感じさせない堂々たるもので。飲み込みも早いし」
綾嬢「ホントですか?」
監督「ホントです。世界が認めた才能が認めるんだから(笑)」
と、今監督、実はこの日も、司会の襟川氏に「世界が認めたクリエイター」と紹介されたのを、ちょっと茶化して、“世界”への反撃(?)を試みる。
襟川氏「世界が注目する監督ですから! この作品も12月全米公開が決定したんですよね! アカデミー賞ノミネートの権利をGETしちゃったってことですよ」
今監督「いや、正確にはGETしたいがために、あちらの方が無理やり・・・・・・(笑)」
襟川氏「『千年女優』もドリームワークスから認められたわけだし!」
今監督「いや、もういい加減、ハリウッドが認めたからスゴイとかは・・・・・・」
襟川氏「スゴイんです!」
きっぱり断言。今監督、反撃失敗。しくしくしく。
今監督「でも、映画は非常に多くのスタッフと一緒に作ってるわけですから。
私の監督作品であって、私の作品、というわけではないと思っています。
今回も、多くのスタッフとキャストのおかげで、こうして皆さんに楽しんでいただける映画になりました。今、この場にいないのが残念なんですが、一緒にこの映画を作ったスタッフ、キャスト、
すべての皆さんに、できれば拍手をお願いします」
バチバチバチバチバチっ! またもや、客席から拍手×拍手×拍手!!! スタッフ&キャストの皆様っ! 聴こえましたかっ!? 皆様に対して、『東京ゴッドファーザーズ』をご覧くださった方々の、感想こもった拍手です。
そして、この日の夜。15日に初日を迎えるテアトル池袋で開催された、先行オールナイトイベント「KON's WORKS NIGHT」! またもやそこにも、上映を待ちわびる人、多数っ! 深夜なのに。『機動警察パトレイバー2 the Movie』やって、『MEMORIES』やって、その後なのに。明け方なのにっ! そんなにも観たいのね、『東京ゴッドファーザーズ』! よーし、それなら観るがいいっ! 魅せてやるっ! ってゆーか、足を運んで下さった方、本当にありがとうございます。感謝の拍手っ!
と、その前に。宣伝担当の田中氏が進行役を努め、アニメ評論家の氷川竜介氏を招いての、トークイベント。「東京ゴッドファーザーズ Angel Book」も手がけられた氷川氏から、いろんなお話が飛び出しました。もちろん、差し障りのないところだけ(?)、抜粋すると。
『MEMORIES』の時には、1話目『彼女の想いで』の脚本と設定という形でクレジットされてますが、実際には、個々のレイアウトもかなりやられていると思います。
実は、発表年度でいえば、『MEMORIES』のほうが後(95年)になってるんですけども、今さんのホームページを観ると、92年が『MEMORIES』の、
93年が『パト2』の作業になっていて、発表の順序とは逆になってるんです。たぶん、『MEMORIES』は、相当時間がかかったっていうことなんでしょうが(笑)。
だから、『MEMORIES』でのレイアウト的作業があって、『パト2』でレイアウトを任されたという流れになるんだと思います。『パト2』のレイアウトは5〜6人で担当されてるんですが、今さんは非常に重要なカットの構図を決められたようですね」
ちなみに、今監督の著作「KON’S TONE」によると、『パト2』での今監督のレイアウト箇所は・・・・・・、と、知りたかったら買いましょう、「KON’S TONE」(笑)。ぷっちイジワル。へへへ。
そして、氷川氏からの『東京ゴッドファーザーズ』的オススメの鑑賞法。
氷川氏「普通に物語を追いかけていけば良いと思うんですけども。もし、2回目を観られる方は、画面全体をよく観られるといいと思います。
隠されたメッセージが、いろいろあって。ビルが顔みたいな表情になって何かを訴えているとか、看板の文字に意味があるとか。
あと一番感心するのは、セリフの一言一言に無駄がないんですよ。それぞれに複線がひかれていて、非常に中身が濃い。
もちろん、最初に見るときに、そういうところばかり気にしていると、物語がどこかに行ってしまうので、最初は物語を追いかけていくだけでいいんですが。
5〜6回観ても、発見がある作品だと思いますね」
パチパチパチ〜っ! 氷川氏にも拍手でしょうっ! ホントに画面一杯いたるところにいろんなものが隠れてます。だから、何回でも観ましょう! でも一回目には、ただただ素直に物語を楽しみましょう。これ鉄則。
ということで、未だの方も、もうご覧になった方も、今すぐ何度でもとっとと劇場におみ足お運びくださいっ! よろしくしますですっ!
|