« 『アルティメット・コレクション』DVDシリーズ第3弾が8月23日リリース! | トップページへ | 本日スタート! 『サムサッカー』公開記念イベント@渋谷パルコ・パート1  »

2006年8月24日
『カポーティ』ベネット・ミラー監督、来日記者会見

左より、浅田彰京都大学助教授、ベネット・ミラー監督、田中康夫長野県知事
アカデミー賞主演男優賞など、数々の賞を受賞した『カポーティ』。9月30日の公開を前に、ベネット・ミラー監督の来日記者会見が行われました。

-なぜ、トルーマン・カポーティという作家を描いたのですか?
「この映画はトルーマン・カポーティという男を描いただけのものではありません。彼の野心を達成させるために、他のことに対しては感覚が麻痺してしまい、結果として取り返しのつかないところまで行ってしまった。この“悲劇”はカポーティだけでなく、企業や国にさえも起きることと言えます。また、事件で変わってしまったこの町の”イノセントの喪失”は、同時多発テロのような悲劇においても当てはまることであり、今を知るためには振り返るべきことだと思います。」

当時最もアメリカで有名な作家だったとも言える、彼の奥に潜むプライベートを描きたかったという監督。その中で、短いカットをつなげる今の映画とは逆行するような、見る人の感性を研ぎ澄ますような映画に仕上げていったという。

-この映画でアカデミー賞主演男優賞を受賞した、フィリップ・シーモア・ホフマンの魅力とは?
「彼はとても繊細であり、カポーティを一番理解していると思います。実は、カポーティが『冷血』を書く直前と彼がよく似ていると思っていました。フィルは俳優としてとても尊敬されているが、まだ決定的となる仕事がなかったという部分です。」

この記者会見には特別ゲストとして、『カポーティ』に感銘を受けた田中康夫長野県知事と浅田彰京都大学助教授の2人をお招きし、映画の魅力を語っていただきました。

浅田助教授:「作家の生涯を映画にするのはある意味無謀なことだと思います。しかしそれを成功させたというのは傑作と言えます。フィリップ・シーモア・ホフマンが見事に本質的な類似にまで達したことは、アカデミー賞を取るのは当然です。そして、控えめながらもディテールを犠牲にしない撮影、編集は、とてもクールでした。この映画で、カポーティを再発見して欲しいと思います。」

田中知事:「この映画を見ていると、美しさ、ディテールの深み、そして音楽が “decent(=気品がある)”な空気を醸し出していました。カポーティは正直に生きていました。人生は葛藤や矛盾の連続であり、孤独だということを感じていたと思います。カポーティは、ジョークが誘った周りの表面的な笑いでさえも、彼はそれをエネルギーとした。そして表現者であり続けた。どんなことにも逃げなかったことが、普通の人には理解できなかったのではないでしょうか。彼の姿勢を見て、若い人にも人生は捨てたもんじゃないということを感じて欲しい。」

最後に監督は日本での公開について、「この映画は、アメリカやヨーロッパの感性よりも日本の感性が近いと感じています。日本の観客にどう受け止められるか、非常に楽しみです。」と語り、日本での公開に期待を寄せていました。

『カポーティ』オフィシャルサイト
9月30日より日比谷シャンテ シネ、恵比寿ガーデンシネマ他 全国順次ロードショー

Posted by a. MOVIE at 2006年8月24日 17:15