ストーリー
2007年、正体不明のグラフィティアーティスト、バンクシーがパレスチナ・ヨルダン川西岸地区にあるベツレヘムの巨大な分離壁に6つの壁画を描いた。バンクシーによって集められた14人のアーティストと共にキリスト生誕の地に観光客を誘致する前衛的なプロジェクトだったが、描かれた1枚の絵「ロバと兵士」が地元住民の怒りを買ってしまう。住民たちは絵画を切りだし、オークションサイトに出品。巨大なコンクリートの壁画は海を渡り、美術収集家たちが待つ高級オークションハウスへと送られてしまった。5年後、監督のマルコ・プロゼルピオはベツレヘムへ向かい、「ロバと兵士」を売りとばす一旦を担ったタクシー運転手ワリド・“ザ・ビースト”をはじめ現地のアーティストや活動家たちへ取材を始める。プロゼルピオは壁画の足跡を辿り、デンマーク、ロンドン、ロサンゼルスへと世界中を旅することとなる。旅が進むにつれ、ストリートアートのあるべき姿、芸術と価値、芸術と著作問題、そしてバンクシーがもたらす光と闇…ありとあらゆる真実を炙り出していく。